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ピアノを弾く男性の手が震えている

震える手で水を出す男性と寄り添う人物

震える男性の手と背中を叩く家内ちゃん

人と生きていくのは面倒なことばかりだ。

でも面倒なだけでそれほどつらくはなかった。

好き勝手に一人で生きていた季節は充実して楽しかった。

でも楽しかっただけだ。

楽しいという現象は一種の負荷でもある。

楽しいことはいつか自分の中で終わり、

負荷だけが淀みのように残る。

そのつらさを想像して、僕は面倒な方を選択した。

セリフ

1ページ目

  1. でもそんな日々でいいと思う。
  2. 効果音ぞん
  3. 「ぶしゅん。」

2ページ目

  1. 「ぶしゅん」
  2. 「ぶしゅん」
  3. 「ぶしゅん」
  4. 効果音ジャー
  5. 「ねと」

3ページ目

  1. 「ふおっ。」

夫はピアノを弾いていたが、手の震えがひどくなり思うように弾けなくなる。日常生活でも手の震えが続き、水を扱う時に特に顕著だ。隣で眠る家内ちゃんは夫の震えに気づきそっと背中を叩いて励ます。夫はその優しさに少し心を和らげ、面倒でも一緒に生きていくことの意味を感じている。