セリフ
1ページ目
- 家内ちゃんの調子がもう何ヶ月もよくない。
- わたくしは年齢のせいか以前にも増して心配性になり
- また自己判断で自分が死にかけた経験から
- しつこく病院に連れて行こうとしすぎてシャッターを閉じてしまった。
- こうなるとてこでも開かない。
2ページ目
- わたくしは家内ちゃんの世話を焼くのが生きがいのような人間なので
- 他のこともあまり手につかず楽しいマンガなど描けそうにもない
- 楽しい空間に参加して暗い顔をして場をぶち壊すのがイヤだから外にも出たくない人にも会いたくない
- などと個人的な事情で勝手なことを言ってる場合でなく
- 一番手を抜いていい授業…も結局手抜きできず優先順位が整理できない
3ページ目
- 家内ちゃんもあの時同じような気持ちだったんだろうか。
- 人の心は見てるだけではわからない。
- わたくしは弱いなあと思う。
- 描いてる間だけそれでも気が紛れる。
- お高い桃とメロンを買いに行く。
4ページ目
- 「えーなんだよー ドタキャンかよー 連絡くらいよこせ。」
- 「ごめんね ごめんね」
- 「人として どうなんだ」
- 昔、 ドタキャンした 女の子を責めた ことがある
- 後日、 その日その子の 妹が死んだのだと 別の人間から聞いた。
- ふいに そんなことを 思い出した。
- いやそれは嘘だ。
- わたくしはそのことを 忘れたことは一度もない。
家内ちゃんの体調不良が数ヶ月続いており、夫が心配して病院へ連れて行こうとしすぎたため、家内ちゃんは心を閉ざして寝込んでしまう。夫は心配のあまり私生活や仕事が手につかなくなる。かつて自分がドタキャンした相手を強く責めた際、実はその裏に相手の悲しい事情があったという記憶を思い出し、人の心は見ているだけでは分からないと痛感する。己の弱さを自覚しつつも、夫は家内ちゃんのために高い果物を買いに行く。



