女っ気のかけらもない枝くんも、時々「俺にも色々ある。ゾ。」と部屋の天井の隅をじっと見ながらつぶやいていた。
セリフ
- 「長谷川よ。」
- 「なんだ。」
- こないだの夜、女が来た。
- 「ぞ。」
- 「よかったな。」
- 枝くんの口から「女」という単語を聞いたのは4年間でこの時だけ。
- そして朝帰っていった。
枝くんが居酒屋でハセガワに、先日自身の部屋に女性が訪れ、一夜を共にして朝には帰っていったと話す。枝くんにとって「女」という言葉を口にするのはこの4年間で唯一のことであり、その不器用な恋心と孤独が静かに描かれている。ハセガワはそれを聞いて安心した様子で「よかったな」と応じる。
