先輩にモデルになってもらって先輩の絵をたくさん描いた。
画廊を借り、展示した。
先輩はじっと自分が描かれた絵を不機嫌そうに見ていた。
僕はその不機嫌そうな先輩を上機嫌でじっと見ていた。
そんな21歳の思い出がある。
そういう思い出は、20年も30年も経ったあと、
急に描いてみたくなる。
オズ先輩が光の差し込む部屋の中で一人座り、煙草をくわえて遠くを見つめている。肩より少し下の髪が柔らかく描かれ、憂鬱で切ない表情が画面から滲み出ている。光と影の対比が感情の繊細さを際立たせ、先輩の内面の複雑さを感じさせる静かな瞬間である。
