さみだれちゃんはずうっとこちらを見ている。
絵では目が出ているが、
実際は前髪を伸ばして目を隠している。
いつもこの絵と同じ格好をしている。
似たようなパーカーなら一着買ってあげようかと言ったことがある。
さみだれちゃんは何も言わない。
でもいやそうなのはわかったので僕もそれ以上何も言わない。
多分そのパーカーじゃないといけない理由があったのだ。
僕はそれを知っている。
知っているが知っているからといってどうにもならないので
僕は下着や靴下だけを洗濯する。
いつもぐにゃっとしている。
立つとぐらぐらしている。
でもずうっとこちらを見ている。
何があってもこちらを見ている。
さみだれちゃんがソファに寄りかかってくつろいでいる。短髪で、パーカー姿の彼女はリラックスしながらも、どこかぼんやりとした表情を浮かべている。彼女はいつもこの格好で、パーカーには特別な理由があるようで、それを知る語り手は彼女の沈黙に配慮している。日常の一コマながら、さみだれちゃんの内面の深さを感じさせる場面である。
