セリフ
1ページ目
- 「いやあ 一年以上ぶり ですなあ。」
- 都内某所
- 漫画家の 棟蛙さんと 絵オフを しました。
- 「あ、どうぞ 食べて食べて。」
- 効果音ゾアッ
2ページ目
- 蛙さんは普段井戸の底に生息しており
- 効果音ゴツッ
- 効果音ゴツッ
- 数ヶ月に一度地上に這い出てきます。
- 「オフ絵やりませぬか」
- 食べる物を少量与えると2Dになります。
- 「お久しぶりでつ。」
- 後はしゃべったり黙ったりしながら交代で一枚の絵を描く。
- のが絵オフです。
- 「ちゅ〜〜」
- 特にルールもなく自然に続いています。
3ページ目
- 「去年は何度もお誘いいただいたのに僕の調子が悪く、失礼しました。」
- 「いえいえ時間が空くといっぱい話すことあってよい。」
- きっかけは「Twitter」だったが
- 「どーもどーも」
- 話すことがなくなるので
- 普段ネットやLINEで話したり情報を追うことはなく
- ネットからスタートしてリアルのみの関係に移行。
- ここ10年ほど僕が目指した「人間関係」の
- ほぼ唯一の成功例でもある。
4ページ目
- 「そうそう、あんまり世界が殺伐としてるんで、気持ちはわかるけどね」
- 「最近折り紙を始めまして。」
- 「おおーいいですねえ!私に?」
- 「どうぞどうぞ。」
- 「贈り物ってこのくらいがいいなと。」
- 「捨てちゃっても紙一枚あればすぐ作れるし。」
- 「あ、わかりますというわけで」
- 効果音お互い圧がない
5ページ目
- 「私も偶然フェルトを始めまして。家内ちゃん作ってみました。」
- 「おおー。」
- 「同じような時期に同じようなこと考えるもんだねえ。」
- 「疲れますからね人間同士は。」
- ※家内ちゃんはわたくしの妻です
- 「こういうのへたくそな時が一番楽しいよね。」
- 「すごいの作ってSNSでバズる前提だとねえ。」
- 効果音つらいんで
6ページ目
- 「話変わるけど」
- 「この絵オフって来年もう10年だよ。」
- 「なんか記念に二人で本でも作りません?僕勝手に考えるから。」
- 「10年・・・・。」
- 「ヤバいっすね。作りましょう。」
- 「レイニーさんの寿命が」
- 「10年なんて秒だよ秒。」
- 中年テンプレ。
7ページ目
- わたくしは人を詳細に記憶しますが
- 「すごいね」
- 「ひらめ♡」
- 「最初サーモンしか食べれなかったのに。」
- 「そうだっけ。」
- 「知らん」
- カエルさんも家内ちゃんもすぐ忘れます。
- まあそれくらいのが長続きする。
- 「レイニーさん、 このインドまぐろって何ですか?」
- 「インド人を丸呑みにして成長したって伝説があってね。」
- 今日も適当な嘘を教えて気分がよい。
8ページ目
- 「はー今日もよく描いたねえ満足満足。 じゃあまた。」
- でもこの「また」だけは嘘にならないよ
- 効果音バシャバシャ
- 効果音ドボシ
- 僕たちは描き続ける。
- 「あ、エネルギー切れ……。」
- 「……。」
井戸に住むカエルと漫画家が絵を通じて交流する。カエルは定期的に地上に現れ、互いに絵を描き、時には折り紙やフェルト作品を贈り合う。二人の関係はネットからリアルへと移行し、10年続く。漫画家はそれが唯一の成功例と考えている。年月の早さを話し合いながら、二人はこれからも絵を描き続けることを誓う。








