マキタが果たして、
ただお腹がすいていただけなのか、
それともしょんぼりとしている僕に気がついていたのか、
今となってはもうわからない。
が、マキタもまた人の気持ちによく気がつく人間であり、
僕と同じく直接わかりやすい言葉で伝えるということが
できない性格だったのは間違いない。
僕は人に気を遣うのも気を遣われるのも好きではない。
だからほっといても勝手気ままなわがまま人間についていき、
世話を焼く方がどちらかと言えば好きだ。
ただもしこれがマキタなりの気遣いなら、
僕はとても嬉しく、だから覚えている。
人の気を遣うということは、
人に気を遣わせないということだと思う。
ほとんどの人間はそれができない。
気を遣っているそれを知ってもらいたいと思っている。
だから互いに気を遣いあう。
それがいい時もあるし、イライラすることもある。
優しいにも色々ある。
それはどれくらい人と深く関わってきたかによる。
セリフ
1ページ目
- その気持ち。
- 「土曜日、桜井の送別会やるで。」
- 「一人一品食べ物作って美術室集合な。」
- 「飯なんか作ったことないで………。」
- 「女子ばっかの部やとこういうの好きで困るわー」
- 「おかんの料理大全借りたが…」
- 「ボルシチ。」
- 「作れるかこんなもん」
- 「ロシアの風が吹くボルシチ」
2ページ目
- 「じゃっ じゃっ じゃっ じゃっ じゃっ」
- 当日。
- 効果音ギャー ギャー ギャー ギャー ギャー
- 「なんやこのデカいの。ぶっさいくやわー。スーパーでなんか買ってきたらよかった。さっさと自分で食うてまお。」
3ページ目
- 効果音コンコン
- しゅん....
- 「...............。」
- 「何ひとりで食うてんねん。私食う暇あらへんのに。」
- 「アホか」
- 「はせやん はせやん」
4ページ目
- 「それ一個くれ。」
- 「あ。」
- マキタはそういうやつだから。
- 「お前なに食うたんやそれ。」
- 効果音もっちゃもっちゃ
桜井の送別会で料理を持ち寄ることになったが、料理に自信がない主人公は悩む。ボルシチを作ろうとするも難しく、小さな俵のような物を持参する。当日、友人たちが楽しげに料理をしている中、取り残された気分になりつつ一人で食べ始める。そこに友人が「一緒に食べよう」と声をかけ、取れたての食べ物を渡される。彼は友人の気遣いに感謝しつつ、少し照れた顔を見せる。マキタの人柄が垣間見える暖かいひとときである。



