お父さんお母さんの右肩に丸い傷跡があるか確かめてみましょう。
ふとこの跡のことを思い出して、自分の肩を見てみたら、以前よりだいぶ消えかかっているような気がするもの、まだありました。 これ完全に消えたって方いらっしゃいます?消えるもんなんでしょうか。
セリフ
1ページ目
- 昭和49年の境界線。
- 右肩にきずあとがある。
2ページ目
- 僕たちは昭和49年生まれである。
- みんな右肩に丸いきずあとがある。
- 天然痘の予防接種の跡だ。
- その後天然痘は撲滅宣言が出され予防接種はなくなった。
- 昭和50年以降に生まれた子にはこの跡がない。
3ページ目
- 「ほんまに跡ないんやな。」
- 「そんなん言うて触りたいだけちゃうん?」
- 「ほんまに跡ないなあ…。」
- 「いつまでやりますの?」
- 上手く言えないが不思議な気がした。
4ページ目
- まっしろなマキタの肩にきずあとが見えた。
- 僕はなんだかそこから目が離せなかった。
マキタは自分の右肩にある小さなきずあとを見つめる。昭和49年生まれの人は天然痘の予防接種の跡が丸く肩に残るが、昭和50年以降に生まれた人にはこの跡がない。マキタは後輩の女性の肩に跡がないことに気づき、不思議な感覚を覚える。そんな中、別の女性の肩にうっすらとしたきずあとを見て、マキタはその姿から目が離せなくなる。彼女たちの世代差を象徴するこのきずあとの有無が語られる切ない日常の一幕である。



