セリフ
1ページ目
- 「……日野草城。」
- 先輩はよく詩や短歌や俳句を引用した。自分の気持ちを話すひとではなかった。
- 「あ、僕もそれ好きですいいですよねそれね、ね。」
- 「わたくしは自分の気持ちしか言わない。」
- 先輩から「あの詩が好き」「この短歌が好き」と聞いたことがない。
- ただいつもぴったりの言葉を引用してわたくしに教えてくれる。
- 教養ってそういうことなんだろう。
2ページ目
- 「わたくしは いつも」
- 「わたくしに 騙されない人 だけを好きになった。」
- 先輩のことは さほど美化していない。
- そんな必要がない。
先輩は詩や短歌を引用して自分の感情を表現し、直接的な気持ちを言うことは少なかった。主人公は先輩のそのやり方を良いと思い、言葉の引用を教わるが、自分の思いは自分の言葉でしか語れない。彼はいつもしっかりとした判断をする人が好きだった。先輩のことを特に美化する必要がないと感じている。

