セリフ
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- 年末に父が送ってくれた鯛ずしがある。
- 大好物だがまあまあ高級品なので食べるのは年2回くらい。
- 効果音一匹4,000〜1万円くらい
- 家内ちゃんは帰省中なので節約のため真つ暗にしている。
- 絵面は悲惨だが静かでわたくし自身は快適だ。
2ページ目
- 拾ってきたものばかりの省エネ環境の中で
- 唯一ちょっとだけ値が張る小さな40万円のスピーカー。
- 古い友人から電話があった。
- 「「床屋行くたび後頭部の寂しさにため息出るぞえ」」
- 「と笑っていると、」
- 「「でもハセガワくんはほんとう、よくやってるよ。」」
- 「と真面目な声で言うのでうるせえな、と言った。」
- 鰤ずしに合う音楽は何か。
- 「わからん。」
- わからんけどチェロ組曲なら美味しくなる気がする。
3ページ目
- 「「今マキタさんやオズ先輩に会いたいと思いますか?」」
- とよく尋ねられる。
- 全然ないなあ。話したいこともないし、心残りがあるわけでもない。
- 逆に「会いたい」という人に会って何がしたいのか聞きたい。
- もしタイムマシンがあるなら、マキタでなく自分に会いに行って、
- 「「人の話を聞け!」とスリッパで頭をはたくと思う。」
4ページ目
- ひさしぶりにタバコでも吸うかと何年も前のピースを棚の奥から引っ張り出したが
- どこを探しても今の我が家にはライターがなかった。
- いつでも先輩のタバコに火が点けられるように
- わたくしのカバンはライターだらけだったなあと思い出したりした。
- 大学の時一番頑張ったのは多分そんなことだと思う。
父から年末に送られてきた鯖ずしを静かに味わう男は、古い友人からの電話でかつての自分を思い出す。彼は質素な部屋でチェロの曲を聴きながら、過去の仲間や先輩との関係を振り返り、今会いたい人がいるか問われるが、特にいないと感じている。タバコを吸おうとするとライターがないことに気づき、大学時代に仲間にライターを頼むことを思い出し、当時の自分を振り返る。



