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ピアノを弾く男性と背中合わせに座る女性

僕は高校の時、ピアノの先生から

「君には受験で合格するような演奏は難しい」

と言われて、あ、そうですか、と即座に諦めてしまいました。

それは才能がないとかそういうことではなくて、

細かなミスタッチやフレーズのこととか、

ベートーベンやバッハの表現したいことを理解しているかとか、

そういう意味だったのだと思います。

普通の大学に進学し、

音大を目指していた村木に出会って、

同じ道を歩いて行こうと一度は思いましたが、やはり挫折しました。

マンガや映画なら、ここで努力する才能が開花するはずですが、

僕にはそれさえ全くありませんでした。

ふうん、と思いました。

だから趣味が似ている人とは同じ道を歩けません。

好きなものが似ている人は、怖いです。

村木がピアノを弾きながら隣に座る人物と話している。話の中で、演奏に「何か足りない」と先生に言われたことを思い出す。それは音楽の技術ではなく、彼が本当に求めているのは音楽を好きだと思われることではなく、自分が注目されたいという気持ちだと気づく場面である。心情の深さと繊細な感情の交流を描いている。