僕はほとんど人に好かれるということがありませんでした。
というより、好きな人に嫌われるのが怖いので、
最初から「俺のことなんか好きなやつぁいねーよ」
という設定で自分を守っていました。
だから僕はいつも片思いが好きでした。
相手が迷惑な顔をしても平気でした。
迷惑だろうと思っていたからです。
つまり自分のことしか考えていないわけです。
いわゆる「ファン」です。
ファン状態になった人間には、人の気持ちなどわかりません。
ファンはファナティック(狂信者)のファンなのです。
例外はありません。
そんな僕を困惑に追い込んだのは、
僕の「ファン」になってしまったハニワちゃんでした。
ハニワちゃんは僕のことが好きでした。
でもその「僕」は僕自身とはかけはなれた僕でした。
僕はやっと幻想の外側にいる、
人間そのものに目を向け始めました。
ハニワというキャラクターが毎日アトリエに訪れ、クレープをひたすら焼き続けている。ハセガワはその来訪が迷惑とも普通とも言えず、不機嫌な表情を隠せない。一方、オズ先輩が話しかけ、ハセガワが自身の迷惑な存在であることを正直に話すが、先輩はかつて自身も同じ状況だったと理解を示す。二人は自分の居場所や感情に戸惑いながらも向き合っている。
