ぐずぐずとまた朝になる。
眠くて仕方ないが、
眠ると妙な夢を見る。
何が妙だったのかも思い出せない。
ただ漠然と、
何かが違う、どうも違う気がする、
とだけ思い続ける夢を見る。
–
風 吹いてゐる
木 立ってゐる
あゝ こんなよる 立ってゐるのね 木
(中略)
怖しさとは
ゐることかしら
ゐないことかしら――
–
先輩が一番最初にくれた手紙に書いてあった、
吉原幸子の「無題(ナンセンス)」という詩
の世界に近い。
雨がふってゐる。
マキタが布団の上で横になりながら、無表情で手を伸ばしている。彼女は学校に行くのが嫌だったが、学校をやめると一枚も絵が描けなくなってしまったという複雑な心情を抱えている。全体的に切なく憂鬱な雰囲気が漂い、内面の葛藤が感じられる一コマである。
