その時はわからなくても、後でわかることがある。
というより、僕たちは後にならなければ何もわからない、
ポンコツないきものだと思ったりする。
そしてそれを後悔と呼んだり、思い出と呼んだり、
あるいは青春と呼んだりする。
勝手な話だ。
こうした僕の一連のセンチメンタルが、
甘酸っぱいかと言われれば、そうでもない。
苦いのとも違う気がする。
こんな、ドラマも何もない、ありふれた小さなことが、
僕にとっては例えようもなく美しい。
けだし僕の中身は、実に単純で平凡な人間讃歌である。
誰が何をどう言おうと絶対に歪まない、
でも最初からちょっとだけ歪んでいる、
手放しの人間讃歌である。
大学生になった主人公が母校の美術部を訪れ、顧問と再会する。彼は年月が経っても以前と変わらない様子で、主人公は少し困惑している。しかし、昔のイーゼルを他の誰かが使っていることに寂しさを感じる。顧問が転任するまで、主人公のセンチメンタルな気持ちは続くようだ。
