思春期には、
一瞬でそれまでの価値観がひっくり返るような経験をする。
その自分の変わりように自分自身がついていけず、
不安になったりイライラしたりする。
ある時唐突に自覚がやってくる。
ほんの何でもない、一人で自転車をこいで帰る時に、
はっと気がつく。
そういうことか、と気がつく。
そうやって少しづつ、僕の世界は大きくなる。
マキタが机に向かい、ペンを手にしている。彼女は不機嫌にシャーペンを鳴らす癖さえも心地よさを感じている様子で、その何気ない瞬間に落ち着きを得ている。過去の思春期の不安やイライラの中で、こうした小さな癖が心を支えていたことが示されている。
