村木の写真はほとんど残っていない。
残っているものも、全てモノクロフィルムだ。
当時写真は全部モノクロで撮影していたからだ。
文化祭が終わった時のような空気が流れていた。
僕と村木は残ってだらだらと後片付けをした。
長い一日が終わって、僕たちはしゃべる気力もなかった。
僕は黙って一枚だけ写真を撮った。
演奏会の楽屋で村木が椅子に座って静かに佇んでいる。二人は日没まで言葉を交わさずに過ごし、長い一日の終わりの余韻が漂う中、主人公が彼女の写真を一枚だけそっと撮影した。落ち着いた表情の村木と、静かな時間の尊さが伝わる場面だ。
