本人の字シリーズ。
手紙は僕の唯一の財産だ。
高価なパソコン、立派なピアノ、あるいは車、家、贅沢な暮らし、
そんなものいくらあっても僕の気分は晴れない。
でもその日その場所、その時の気持ちで書いた
君の字から、
僕はやがて衰えて死ぬまでの束の間、
人間に対して夢を見ることができる。
美術部をやめたことを激しく後悔しながらも、未来への楽しみを見つけようとしているムロイが椅子に座っている。後ろを振り返る彼女の表情には切なさと希望が入り混じっており、京都の千宿に行くことを考えている様子が手書きの文字から伝わる。卒業後の変化を感じさせるほっこりとした一瞬の情景である。
