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田辺町の田舎道を歩くメガネの男性

おでん嫌いな男性がおでんを女性に渡す場面

大学はあらゆる方向に価値観が広がってゆく数年だった。

とりわけ、野菜も魚も嫌いで極端な偏食だった僕が、

嘘のように嫌いな食べ物がなくなったことが思い出深い。

そして自分の価値観(好き嫌い)を頑なに守ることが

「自分がある」ということではなく、

なんでもいいからとりあえず食べてみることが<楽しい>への近道なのだと、

身を持って知った。

食べ物で気づいたことを人間関係へと敷衍するまでに、

そう時間はかからなかったと思う。

主人公はいつも通りコンビニでおでんを買い、下宿の裏道を歩いている。彼はおでんが嫌いだと言い、出会った女性に全部あげることにした。女性は「こんな美味しいのに」と驚きつつ、おでんを作ろうと提案する。主人公は初めておでんを食べ、少し甘いと感じながらも受け入れる。彼の嫌いなものが一つ消えた、心温まる日常の一コマである。