きれいな絵を描きたいなら、その「きれい」はどこからやってくるのかを
まず考えるために自画像を描かされるわけですよ。
一部の人間を除いて、
人が最も嫌がることは、自分自身を直視することですから。
美術とか芸術とかそんなもの僕にもようわからんですけど、
少なくとも僕がその頃切実に求めていたことは
「自分とは誰か」という問いでした。
ムロイは自分の顔を鏡で見ながら絵を描こうとするが、恥ずかしさと嫌悪感からつらい思いをしている。自画像を描く意味に疑問を持ちながらも、きれいな絵を描きたいという強い願望を抱いている。そんなムロイに対し、相手の男性が向かい合って互いに描き合うことを提案し、ムロイは動揺しつつも絵を描く意志を崩さない。描くことへの葛藤と情熱が交錯する場面である。
