後ろ姿とは言え、自分が描かれた作品を見て
マキタはどう思っただろう。
少なくともいい気分ではなかったに違いない。
そんなことは僕自身にもよくわかっていた。
でもやっぱりまだ消せない感情が胸の奥で燻っていた。どうしても。
そのジレンマが高校生の僕の恋愛だったと思う。
何もかもが相対的に捉えられ
一瞬で自分の立ち位置が情報として決定してしまう今は
このような恋愛は
ただの自分勝手な気持ち悪さとしてしか理解されないだろう。
そして
僕たちのように互いを受け入れることも
完全に否定することもできず
モヤモヤとした関係を続けることも
もうないのかもしれない。
それは果たして
幸福な世界なんだろうか。
文化祭の会場で、マキタは背筋を伸ばして立ち、何かをじっと見つめている。彼女の心は自分が描かれた作品に対する複雑な感情でいっぱいだ。表面的には落ち着いているように見えるが、内面では消せないもやもやとした思いが燻っている。これは彼女の青春期の恋愛のジレンマを象徴しており、自己の感情と周囲の評価との狭間で葛藤している様子が感じられる。
